最近、フリーターの身内がいるという方から相談を受けました。
弟が28歳のフリーターで、コミュ障でなかなか就職ができず、悩んでいるということでした。
身内にフリーターがいることで悩んでいる方は少なくないようです。
振り返れば、わたしがフリーターだった時も、両親にたくさん心配をかけたんだろうなと今更ながらに思います。
当サイトでは、日頃フリーター本人の方向けに就職に関する情報を発信していますが、今回は身内にフリーターがいて悩んでいる方向けに「身内のフリーターに就職してほしい時、どうすればいいのか?」を考えて書いていこうと思います。
※この記事は、子供や兄弟(姉妹)などの身内に、心身ともに健康なフリーターがいる方向けに書いています。
自殺願望やうつ病などの精神疾患の疑いがあるなら、專門の医療機関に相談に行くことも検討した方がいいかもしれません。
身内が心配なのは当然のこと
Yahoo!知恵袋や2chなどでも、身内のフリーターに困っている人の書き込みがいくつかありました。
29歳、フリーター、一人暮らしの兄(高校中退、大学受験資格は持っています)がいます。
兄は非常にプライドが高く、他人を見下しているような人です。
農家や工場働きは嫌だ。でも大学は旧帝大クラスじゃないと恥ずかしくて入れない。
仕事も医者や弁護士じゃないと。などと言います。
こんな状態で10年以上過ぎています。
実家に残ったのがフリーターの妹です。今はアルバイトで生活を繋いでいるようです。
妹が自分で決めた道だから・・・とあきらめ切れません。
本音を言ってしまえば、将来が不安で仕方ないのです。
いつか私達に火の粉が飛び散ってくるんじゃないか、お金に困って自殺しちゃうんじゃないかなど。
私が心配しているのはフリーターの弟がいる事で彼のご両親に結婚を反対されないかと言う事です。
弟はかろうじてコンビニで働いていますが就職しようとは思ってなく「もう俺の人生は終わってる」と言っています。(私は一人暮らしのため弟と話す機会が少ないです)
ご家庭の事情は様々だと思いますが、家族が心配なのは当然のことですよね。
「将来、ひとりになった時にちゃんと生きていけるのか」
「家族に迷惑がかかるのではないか」
一般的には就職して働いているような年齢で、夢を追っている、もしくは目的もなくフリーターをしている身内がいると不安になるのも仕方がないと思います。
結婚や経済的状況によっては、身内のフリーター本人だけの問題でなくなる場合もありますから。
特に実家で暮らしている、金銭的支援をしている場合などは、親御さんが高齢になると立ち行かなくなるという可能性も十分にあります。
「フリーターがいい」という選択もある
身内のフリーターである本人の性格や現在の家庭状況によって、どうしたらいいのか?ということは当然変わってきますよね。
とはいえ、具体策がなければ読んでいただいている方に申し訳ないので、後ほどよくある状況ごとの対策も考えて行きたいと思います。
ですがその前に、わたしは一概にフリーターの方全員に必ず就職をすすめることもできないと思っています。
というのも、強い覚悟を持って夢をおいフリーターのままでいる人や、どうしても精神的な問題や身体的な問題で正社員として一定のところで働くことができない人というのもいるからです。
そういった人であれば身内が深く悩むこともないとは思いますが、コミュニケーション不足により、本人の状況を知らなかったということもあり得ないことではありません。
まずはじっくり話を聞くことから始めよう
なので、まずは身内のフリーターである本人の話をしっかりと聞いてあげて欲しいと思います。
今の状況をどう思っているのか、将来どうなりたいのか、やりたいことがあるのか・・・。
その時、できれば責めるようなことは言わず、ともかく聞き出すことに専念して欲しいと思います。
責められたり、頭ごなしに言われると、何か思っていても言葉が出てこなくなってしまいますから。
まず話をじっくり聞いてから、一生フリーターでいる場合の様々なリスクについても話し合って、全て承知のうえでフリーターがいいというのなら、それを認めるのも一つの道だと思います。
例え身内でも本人の人生ですから、最終的に決めるのは本人ですし、嫌々就職させたとしても辞めてしまう可能性が高いですから。
フリーターのままでは苦労はするでしょうが、都心部であれば身体が健康で仕事を選ばなければ、いくつになってもフリーターでも働ける仕事はあるものです。
家にお金を入れてもらわないと困るなど経済的問題があるならまた別の話になってきますが、老後のために本人が貯金ができるならフリーターのままでも生活することはできますよ。
わたしの友人の母親は、フリーターのシングルマザーでしたが、子供を成人までしっかりと育てあげていました。
友人の母親は就職先が決まらずずっとフリーターだったという方ですが、苦労や事情はどうあれそうやってしっかり生きている人もいます。
身内であれば、「なるべく苦労してほしくない」という思いから就職して欲しいと願うと思いますが、そういう生き方もあるということです。
ただし、何があっても自己責任だということはしっかり自覚してもらう必要がありますし、金銭的支援は一切しないことをしっかり約束した方が良いでしょう。
フリーターでも「自立」させる必要があります。
でないと、借金をしてしまったり、困る度にお金の工面を求めてくる可能性もあります。
身内のフリーターに就職してほしい時の状況別の対策
前述した通り、目的がはっきりしている、しっかりとした覚悟があるのであれば見守るという姿勢も大事だと思います。
また、20代前半までであれば特にやることがなくても、自由にさせておいていいのではないかと思います。
というのも、身内や友人や世間にいくら言われようと、自分で経験しないと「就職しなければ」という危機感はわかないからです。
わたし自身、就職しようと思ったのは20代後半になってからで、それも周りに言われたからというよりは就職した友人とフリーターの自分との差を実感する出来事があったからです。
しかし、20代もギリギリになってくると就職できる口自体が狭まってくるので、身内に「なんとなく」や「就活してるけど就職できてない」なんて状態のフリーターがいるならサポートしてあげた方が良いでしょう。
就職するとは言っているが何もしていない場合
- 特に人生設計もないまま、なんとなくフリーターをしているようだ
- 「就職する」とは言っているものの、特に動きがない
- 就職する気さえあるのかわからない
こういった場合は、フリーターでいることの将来への不安や危機感が身内のフリーター本人にともなっていないと思われます。
もしかすると、実家暮らしか金銭的支援をしていませんか?
一般的には、自分のお金だけで20代後半までフリーターで一人暮らしをしていれば、家計の状況や周りとの差を感じ、危機感が芽生えていてもおかしくありません。
今は、そこまで金銭的に困っていない、フリーターでいることに不自由がないから「就職した方がいいのでは?」という気持ちが生まれてこないのではないでしょうか。
なので、まずは“自立”させることが大切です。
一人暮らしをさせる、金銭的支援をしている場合は止める。
そうして、まずはフリーターの状態でも自立するようにうながしてみてください。
フリーターで自分のお金だけで生活すれば、生きるためにどれだけのお金が必要なのか、嫌でも実感しますし将来も想像します。
生活のために働く時間も増えると思うので、「正社員の方がメリットが大きい」ということも実感できると思います。
身内となると心配かもしれませんが、本人に就職する必要性を実感してもらうことが大切です。
就職活動をしているが就職がうまくいってない場合
- 就職活動はしているようだが就職が決まらないようだ
- 就職が決まってもすぐに辞めてしまう
本人に就職する意思は十分にあるが就職ができていないような場合は、就職活動の方法が間違っているのかもしれません。
自分に適正のない仕事やハードルの高い求人にばかり応募しているのかもしれませんし、アピールが上手ではないのかもしれません。
本人に任せておいてもいいと思いますが、3ヶ月以上就職活動に失敗するようなことがあると、せっかくの本人のやる気がなくなってしまうかもしれませんし、時間がもったないですよね。
なので、こういった時には、就職支援サービスを利用して就職のプロのアドバイスを受けることをすすめてみてはいかがでしょうか?
アドバイスを受けるなら、ハローワークよりも就職支援サイトがオススメです。
特にブラック企業を除外する基準をもうけているところは求人の質が高く、20代のフリーターや既卒に特化した就職支援をおこなうところもあります。
首都圏であればハタラクティブが就職率が高く評判が良いですが、関西やその他の地方ならいい就職.com が既卒向け求人が多いです。
もちろん無料で利用できますし、ずっとフリーターしか経歴がない人でも支援してもらえます。
わたしも就職支援サイト経由でフリーターから就職できましたし、26歳にして会社を3回解雇された経歴がある知人も再就職支援を受けていました。
どんな仕事に適正があるのかを調べてもらったり、履歴書の添削や面接時の対策もマンツーマンでしてもらえるため、フリーターから就職に成功した多くの人が利用しています。
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話し合いさえまともにできない場合
- 将来や仕事の話になると出ていってしまう
- 話をしようとしても暴れる
- 就職したほうが良いとは思っているようだがより好みが激しく言い訳が多い
身内のフリーターの方とじっくり話合いをしようと思っても、「仕事」や「将来」「お金」というキーワードを聞くだけで逃げ出したり、逆上されるという場合もあると思います。
身内は大変だとは思いますが、もしかすると責めるような言い方やプライドを傷つけるような言い方をしているのかもしれません。
プライドが異常に高い場合、命令や指示されることを極端に嫌うので、こういった発言は逆効果になる可能性があります。
こういった場合には言い方を変えてみたり、やり方を変えてみて色々試してみるしかありません。
「助けて欲しい」「頼っているんだ」という風に言い方を変えてみたり、本当に家にお金がないという状況を装ってみたり。
もしかしたら、何か目的があるのかもしれないので、まずは将来について話合えることを目標に方法を変えながら根気よく試してみるのが良いと思います。
もし、暴力がひどいようであれば、專門の機関に相談することも検討した方がいいかもしれません。
身内にフリーターがいる家族は自立と就職をうながすサポートを
当たり前のことですが、就職をするのはフリーターの身内である本人です。
本人が「就職しよう」と本気で思っていなければ、いくら助言をしても、サポートをしても、悲しいですが、それは小言や余計なお世話としか思われません。
身内のフリーターに「就職した方がいいかも?」と思ってもらうためには、まず極力自立を阻害する金銭的支援や生活支援などは断ち切り、自立をうながしましょう。
すでに就職を目指している身内のフリーターには、就職活動に関する相談にのる、模擬面接に付き合う、不採用になっても就活が続けられるようはげますなど、就職までのサポートをしてもらえると本人も助かるのではないでしょうか。
身内の家族も心配したり、焦ったりするように、本人も本当はわかっていて焦っているかもしれません。
様々な家庭事情があるとは思いますが、まずは責めずに話を聞くところからはじめてみてください。
話がちゃんとできれば、何か解決策が見えてくるはずです。
就職支援サイトの適正診断などを気軽に「利用してみたら?」とすすめるところからでもいいかもしれません。
就職できないのは、実は年齢やスキル的なハンデよりも本人の気持ちによるところが大きいものです。
その気にさせる環境作りが大切なのではないでしょうか。