フリーターから自分の人生設計を考えた時、「以前憧れがあった教師の道をもう一度」と考えるという人もいるのではないでしょうか。
正規雇用で教師になるには、若くても経験がないと難しいという話をきく一方で、教師も団塊世代の退職問題で若手が不足しているためチャンスがあるという話も聞きます。
今回はフリーターから教師になることは可能なのか?について、考えていきます。
教師として就職するにはまず教員免許が必要
まず、教師として就職するには、いわずもがな教員免許が必要です。
教員免許を取得するには、大学に通い、定められた単位を取得する必要があります。
フリーターや社会人が教員免許を取得する場合は、仕事をしながら取得が可能な通信制大学を利用するのが一般的なようです。
時間的な都合がつきやすく、費用が年間20~40万程度ですむというメリットもあります。
ただし、教員免許を取得するためには、教育実習や介護等体験も必要で1ヶ月程度の期間を必要とするため、この期間は仕事を休む(辞める)必要がでてきます。
教員免許を取得した後も、基本的に教師になるには教員採用試験をクリアしなければいけません。
教員採用試験は、公立であれば自治体、私立学校であれば独自におこなっています。
教員採用試験には、年齢制限があります。
公立であれば40歳までと比較的年齢を重ねても大丈夫なところもありますが、私立学校の場合はもっと厳しいところもあります。
試験内容は学校によって異なりますが、基本的に筆記、論作文、面接、実技、適正検査などで教師としてふさわしいかどうかがチェックされるようです。
教員免許を取得には最低2年
大学に入学し、必要な単位をとって教員免許取得するには、最低2年はかかると考えておいたほうが良いようです。
また教員採用試験に不採用になるということも当然あるため、教師で正規雇用での就職が決まるまで3年以上かかるということも覚悟しておいたほうが良いかもしれません。
公立学校教員採用試験 学校種別ごとの倍率
文部科学省の平成28年度公立学校教員採用選考試験の実施状況によると、公立学校教員採用試験の学校種別の倍率は下記の通りとなっています。
- 小学校 3.6倍
- 中学校 7.1倍
- 高等学校 7.0倍
- 特別支援学校 3.7倍
- 養護教諭 7.4倍
- 栄養教諭 7.7倍
データを見ると、中・高・養護・栄養の採用試験の倍率は高く、小学校の採用試験は倍率が低いことがわかります。
また、公立学校教員採用試験の倍率は、平成12年度をピークに減少傾向が続いているそうです。
教師にも非正規雇用と正規雇用がある
教師にも、一般企業と同じように非正規雇用と正規雇用があります。
正規雇用は「専任教諭(せんにんきょうゆ)」と呼ばれ、基本的に定年まで採用された学校で勤め上げることになります。
反対に「非常勤講師(ひじょうきんこうし)」、「常勤講師(じょうきんこうし)」と呼ばれるものは非正規雇用となり、雇用期間が定められています。
非正規雇用の場合、基本的には1年更新となり、3年を目安に正規雇用として採用するかを決める学校が多いようです。
ちなみに常勤講師で就職なら、正規雇用の専任教諭で就職した場合と仕事内容はほとんど変わりません。
授業だけでなく、学級担任や部活顧問をすることもあります。
給与やボーナス、福利厚生もあまり変わらないようですが、やはり有期雇用という点で専任教諭に比べれば安定度はおとります。
その分就職へのハードルは、専任教諭に比べ低いと言えます。
フリーターから教師になるのは可能だが簡単ではない
フリーターから教師になること自体は、決して不可能ではありません。
むしろ、社会情勢から言えば、今は教師として働く若者が不足しており、優秀な人であれば社会人からでも積極的に採用していきたいという傾向にあります。
昔はキツかった年齢制限も緩和傾向されていて、20代、30代からのチャレンジもしやすくなっています。
こういった面から見れば、例えフリーターであってもやる気と実力さえあれば、喜んで教師として迎え入れてくれる現場は多いでしょう。
小学校教師を目指したり、非正規雇用から正規雇用を目指すことで、いくらか就職成功率をあげることも可能だと思います。
しかし、教員免許もないフリーターがゼロから教師を目指す場合、長い道のりであることは覚悟しておかなければいけません。
教員免許を取得するために勉強を頑張らなければいけませんし、教員採用試験で浪人するということもザラにあります。
人間性や授業力を高める相応の努力や、信念も必要となると思います。
もし、教師の仕事は安定しているからとか、ホワイトっぽいというようなイメージから教師を目指すのではあれば、わたしはオススメできません。
せっかく大学に入学してもやりきれるかわかりませんし、実際に教師として採用されてからも問題児やモンスターペアレント、教師間の派閥問題など様々な問題が起こりうるなかで、やっていけると思えないからです。
でも、教師になりたいというしっかりした意思がある人には、ぜひ教師になって欲しいとも思います。
やりたい仕事が見つからないフリーターが多い中で、やりたい仕事に出会えたということだけでも素晴らしいことだと思いますよ。
まずは、通信制大学の資料請求からはじめてみてはいかがでしょうか?
教師でなくても勉強の楽しさを教えられる仕事はある
ちなみに教員免許をとらなくても、教育の現場に立てる仕事は教師以外にもあります。
代表的なものだと学習塾の講師です。
学習塾であれば、大学卒という学歴があれば教員免許不要でチャレンジすることができます。
「子どもたちに勉強の楽しさを教えたい!でも、教員免許とる時間やお金が厳しい・・・」という人にはぜひオススメです。
学校教師にように親の問題や教師派閥といった問題がおこることが少ないため純粋に勉強を教えるという仕事に専念できる、頑張りに応じて昇給や昇格がしやすい、というメリットもあります。
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なにはともあれ、思いったらすぐ行動です。
教師への道は一般企業への就職ほど簡単ではありませんが、強い信念と努力があればきっと叶えられると思います。
少しずつでも前へ進んでみてくださいね。